アドビ、AI搭載の新プラットフォーム「Acrobat Studio」日本語版の提供を開始

AIツール・サービス紹介

Acrobat Studioのインターフェース

2025年12月10日、アドビ株式会社は、AIを活用した新しいプラットフォーム「Acrobat Studio」の日本語版の一般提供を開始しました。この新サービスは、PDFの編集や電子契約といった基本的な機能に加え、AIによる複数ファイルの要約・分析ができる「PDF スペース」、そしてAdobe Expressによるコンテンツ制作までを一つの場所で実現します。

Acrobat Studioは、月額3,300円からのサブスクリプションで利用でき、PDFファイルやWebサイトなどの複数の情報を集約し、AIアシスタントと対話できる新しいナレッジハブへと進化させます。これにより、PDFが静的な文書から、アイデア出しや情報統合ができる動的な環境へと変わります。

Acrobat Studioの主な機能

Acrobat Studioは、Acrobat AI アシスタント、PDF スペース、Adobe Express Premiumのコンテンツ作成ツール、そしてAcrobat ProのPDFツール群を seamlessly に統合しています。

  • PDF スペース:複数のPDFやWebサイトなどのドキュメントを一つのワークスペースにまとめ、対話型のナレッジハブに変えます。AIアシスタントに質問することで、回答や提案を得られ、回答には出典を確認できるクリック可能な引用が付くため、情報の正確性を簡単に確認できます。PDF スペースは共有も可能で、チームでの共同作業にも役立ちます。

  • AIアシスタントのカスタマイズ:PDF スペース内のAIアシスタントには、「インストラクター」「アナリスト」「エンターテイナー」といった特定の役割を割り当てることができます。ユーザー自身で役割を定義し、目的に合わせた要約や回答、提案を受け取ることも可能です。

  • Adobe Expressで手軽にコンテンツ制作:Adobe Expressプレミアムプランの全機能とアセットが利用できます。Adobe Acrobatの画面上で「画像を生成」「画像を編集」「画像の背景を削除」といった機能を使って、素早く簡単にコンテンツを作成・共有できます。

  • 信頼のPDFツール:Acrobat Studioには、Acrobat ProのPDF機能が全て含まれています。PDFの編集、ファイルの結合、紙文書のスキャン、電子署名、墨消し、比較、保護など、幅広い作業に対応します。

AI活用の現状と課題への対応

2025年に実施された調査では、文書・資料作成を行うビジネスパーソンの54.3%が業務における生成AIの活用に好意的であり、70%以上が業務効率化に期待を寄せていることが示されました。特に企画・マーケティング職、クリエイティブ職、IT技術者のAI活用意向が高い傾向にあります。

一方で、生成AIの活用には「ハルシネーション(AIが誤った情報を生成すること)」や「セキュリティへの懸念」といった課題が挙げられ、情報の正確性や安全性が導入の障壁となることも明らかになっています。

アドビ株式会社のDocument Cloudプリンシパルプロダクトマーケティングマネージャーである立川太郎氏は、「Acrobat Studioは、AIを活用したドキュメント分析からコンテンツ制作までを一つの環境で実現し、業務の生産性と創造性の向上に貢献します」と述べています。

安心の設計とAI倫理

Acrobat Studioは、透明性、コントロール、セキュリティを重視して設計されています。最先端の暗号化、セキュアなサンドボックス環境、コンプライアンス対応機能、そして一括管理・展開できる集中型デプロイを実現しています。ユーザーが指定したドキュメントのみを分析し、情報源に直接リンクする引用を提示することで、AIを安心して利用できる環境を提供します。また、アドビは顧客データをAIモデルの学習に使用せず、サードパーティーベンダーによる使用も禁止しています。

価格と提供時期

Acrobat Studio(日本語版)は、本日より提供を開始しています。7日間の無料トライアルでは、Acrobat Pro、Acrobat AI アシスタント、PDF スペース、Adobe Expressプレミアム機能を無制限で利用可能です。

価格は以下の通りです。

  • 個人向けプラン:月額3,300円(税込)

  • チーム向けプラン:月額3,960円(税込)から

詳細については、以下のリンクをご覧ください。

アドビに関する詳細情報は、webサイトをご覧ください。

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