広島県呉市で自動運転EVバスの交通社会実験がスタート!未来の観光都市を目指す

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広島県呉市では、株式会社マクニカとの連携のもと、自動運転EVバスを使った交通社会実験が始まりました。この取り組みは、未来の観光都市「自動運転モビリティで観光する街くれ」の実現に向けた大きな一歩です。

呉市とマクニカの連携

マクニカは、2023年3月に呉市と「次世代を担う若者のチャレンジ支援等に向けた包括連携協定」を結んでいます。今回の交通社会実験は、その協定の一環として行われるもので、マクニカは自動運転EVバスの車両提供と運行支援を担当しています。

社会実験の目的と走行ルート

この社会実験は、自動運転モビリティを導入する上での課題を見つけたり、住民の方々に自動運転への理解を深めてもらったりするために実施されます。今年は、特に観光での利用が見込まれる呉駅南側が対象です。

バスは、レクレ館を起点に、中央桟橋、そして大和ミュージアムサテライトがあるビューポートくれを巡るルートを走ります。これにより、地域の活性化や、新たな人の流れを作り出すことを目指しています。将来は、この実験を元に、自動運転レベル4(特定の条件下でシステムが全ての運転操作を行う状態)の実現をより早い段階で目指す計画です。

呉市内の主要な観光スポットや施設を結ぶ、約2.85kmのウォーキングまたはランニングコースを示した地図です。

自動運転技術の紹介

今回の実験で使われるのは、フランスNavya Mobility社製の自動運転EVバス「Navya EVO」です。このバスにはハンドルやアクセル、ブレーキペダルがなく、LiDARセンサーというレーザー光を使ったセンサーとGPS位置情報システムで周囲の状況を認識し、自動運転システムが自分で判断して走行します。

また、マクニカが開発した遠隔運行管理システム「everfleet」を使って、バスの走行情報や周囲の状況がリアルタイムで監視されます。これにより、離れた場所からでも安全に運行状況を把握し、効率的に多くの自動運転モビリティを管理できるようになります。

自動運転バス「ARMA(P128)」の運行監視システム「everfleet」の画面。

呉市ならではのバスデザイン

自動運転EVバスの車体デザインは、2012年まで呉市営バスとして親しまれていた車両を参考に、白地に水色のラインがあしらわれています。新しい自動運転モビリティも、かつての市営バスのように、呉市の住民や観光客に長く愛されることを願ってデザインされました。

建物と高架下のような場所に停車している白と青の自動運転バス。

実証実験の概要

この交通社会実験は、以下の日程と内容で実施されます。

  • 日程: 2025年12月15日(月)~2025年12月21日(日)

  • 時間: 10:00~16:35(1日7便)

    • ※12月15日(月)のみ4便以降の運行です。
  • 自動運転車両: Navya Mobility社 自動運転EVバス(EVO)

  • 定員: 各便8名

  • 乗車方法: 事前予約は不要で、バス停にて先着順で案内されます。

    • ※混雑状況によっては乗車できない場合があります。
  • 乗車運賃: 無料

  • 走行ルート: レクレ館前~中央桟橋~ビューポート前~レクレ館前

停留所ごとの出発時刻を示す時刻表です。

小学生向けの試乗会も開催

今回の実証実験に先立ち、11月13日には呉市立呉中央小学校の校庭で、小学生向けの試乗会が行われました。教員と6年生約60名が実際に自動運転モビリティに乗車し、校庭内を走行する体験をしました。参加した6年生からは、「将来この車両に関わる仕事がしたい」「早くこの車両が呉市内を走ってほしい」「ハンドルもブレーキもない車に未来を感じた」といった、次世代モビリティへの期待の声が多く聞かれました。

校庭で子供たちが列を作り、バスのような乗り物に乗ろうとしている様子が写っています。

関連情報

マクニカは、呉市や広島県内の団体と協力しながら、地域の課題解決と新しい価値の創造、そして地域の活性化を目指していきます。

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