アドビは、世界最大級のクリエイティビティカンファレンス「Adobe MAX」において、AIを活用したクリエイティブプラットフォーム「Adobe Firefly」に、画期的なAIツール、AIモデル、AIエージェントを新たに導入したことを発表しました。これにより、Adobe Fireflyは動画、音声、画像、デザインのための最高のツールとAIモデルを備えた、まさにクリエイターのためのオールインワン環境へと進化します。

音声・動画・画像制作がもっと身近に
新しいAdobe Fireflyでは、これまで専門的な知識が必要だった音声や動画の制作が、AIの力でもっと簡単にできるようになります。
スタジオ品質の音楽とナレーションをAIが生成
「サウンドトラックを生成(パブリックベータ)」機能を使えば、AIが動画にぴったりの音楽を自動で作ってくれます。しかも、商用利用できるライセンス付きの音楽なので安心です。また、「音声を生成(パブリックベータ)」機能では、入力したテキストからクリアなナレーションを生成できます。さまざまな声を選べるだけでなく、感情や話す速さも調整できるため、まるで人が話しているかのような自然なナレーションが作れます。

タイムラインベースのAI動画編集機能
「動画を編集(プライベートベータ)」機能は、ウェブ上で使えるタイムライン型の動画エディターです。AIがクリップの生成、整理、トリミングなどを手伝ってくれるので、初心者でも直感的に動画を編集できます。ナレーションやサウンドトラック、タイトルも簡単に追加でき、アニメーションスタイルやタイトルテンプレートも豊富に用意されています。
よりリアルな画像を生成する「Firefly Image Model 5」
Adobe Fireflyの画像生成機能も大きく進化しました。新たに導入された「Adobe Firefly Image Model 5(パブリックベータ)」は、高画質な画像を生成できるだけでなく、光の表現や質感も非常にリアルです。このモデルは、人物像をより正確に生成できるようになり、複雑な構図や自然な動きの表現も得意です。
さらに、「プロンプトで編集」機能を使えば、「背景を青い空に変えて」のように、普段使っている言葉で画像に修正を加えられます。この機能はFirefly Image Model 5だけでなく、GoogleやOpenAIなどのパートナーモデルでも利用できます。
多様なAIモデルと独自のスタイルを追求
Adobe Fireflyは、アドビが開発した安全に商用利用できるAIモデルだけでなく、業界をリードするパートナー企業が提供するAIモデルも利用できるのが特徴です。
拡充されるパートナーモデル
ElevenLabs、Google、Luma AI、OpenAI、Runway、Topaz Labsなど、多くのパートナー企業が提供するAIモデルがAdobe Firefly内で使えるようになります。例えば、ElevenLabsのモデルでより多様な音声ナレーションを生成したり、Topaz Labsのモデルで画像の画質を向上させたりすることが可能です。
あなただけのAIモデル「Adobe Fireflyカスタムモデル」
「Adobe Fireflyカスタムモデル(プライベートベータ)」は、クリエイターが自分の作品を学習させて、独自のスタイルを持ったAIモデルを作れる画期的な機能です。自分が権利を持つ画像をドラッグ&ドロップするだけで、自分らしいビジュアルの一貫性を持ったアセットを生成できるようになります。このカスタムモデルは、デフォルトで非公開なので、安心して利用できます。
クリエイティブを加速するAIアシスタント「Project Moonlight」
アドビは、Adobe Firefly内に新しい対話型AIアシスタント「Project Moonlight(プライベートベータ)」のプレビューも公開しました。これは、まるで優秀なアシスタントのように、クリエイターのSNSチャネルを分析して新しいアイデアを提案したり、コンセプトを数分で作品に仕上げたりするのを手伝ってくれます。クリエイターは自分の言葉でやりたいことを説明するだけで、AIアシスタントがパーソナルなアドバイスや提案を提供してくれます。
アイデア出しから大量制作までを効率化
Adobe Fireflyは、アイデアを形にするための強力なツールも提供しています。
新しいAIアイデア創出ツール
「Adobe Fireflyボード」は、アイデアを視覚的にまとめるためのプラットフォームです。新機能として、2D画像を3Dに変換したり、PDFとして書き出したり、画像をまとめてダウンロードしたりできるようになります。これにより、アイデア出しやコンセプト作りがさらにスムーズになります。
AIによる大量編集「Adobe Fireflyクリエイティブ制作」
「Adobe Fireflyクリエイティブ制作(プライベートベータ)」は、AIを活用して数千枚の画像を一度に編集できる機能です。背景の自動置換、色の調整、トリミングといった作業を、簡単な操作で一括処理できるため、クリエイティブなプロフェッショナルやチームの作業効率を大幅に向上させます。
価格と提供開始時期
今回発表された多くの新機能は、順次提供が開始されます。
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「プロンプトで編集」は本日より一般提供開始。
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「Firefly Image Model 5」、「サウンドトラックを生成」、「音声を生成」は本日よりパブリックベータ版として利用可能。
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「動画を編集」および「Fireflyカスタムモデル」はプライベートベータ版で、来月から順次提供開始予定。ウェイティングリストへの登録はこちらから可能です。
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「Adobe Fireflyクリエイティブ制作」もプライベートベータ版で、来月から順次提供開始予定。
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「Project Moonlight」はプライベートベータ版で、今後数か月以内に正式リリース予定です。
現在、12月1日までは、Creative Cloud ProプランおよびFireflyプランの加入者は、すべてのAdobe Fireflyおよびパートナーモデルによる無制限の画像生成に加え、Firefly Video Modelによる無制限の動画生成を利用できます。Fireflyの価格とプランの詳細はこちらをご覧ください。
アドビの責任あるAI開発
アドビは、AIをクリエイターの創造性を高めるためのツールと捉え、人間の創造性を置き換えるものではないと考えています。クリエイターの権利を尊重し、責任ある生成AIの開発を推進しています。アドビのAIへの取り組みに関する詳細は、こちらをご覧ください。
Adobe Fireflyの進化は、クリエイターがアイデアを形にし、より高品質なコンテンツを効率的に生み出すための強力な味方となるでしょう。

